子どもの年齢を偽るという責任 今日は3歳、次は5歳

4歳になると料金がかかる

我が家の長女も4歳になって様々に料金がかかるようになりました。

テーマパークの年間パスも、バイキングも、ホテルの宿泊も料金が発生してくるところもあります。

正直3歳から4歳へ変わった数ヶ月は3歳って言っても疑われないでしょうし、4歳でも小柄な子であれば5歳間近でも3歳に見える子もいます。

でも料金がかかるという理由だけで親が年齢を偽るというのはどうでしょうか。

今日は3歳いつもは4歳

私がテーマパークで働いている当時、お客様を有料でアテンドする仕事をしていたのですが、そのサービスはテーマパーク入場料が発生するお子さんは大人と同じ価格が発生するもので、ある子ども連れのご家族をアテンドした時の話です。

これから数時間一緒に過ごすので当然お子さんとの信頼関係を築く入口として年齢を尋ねます。

何歳って尋ねた時のお子さんの返答がこちら。

「今日は3歳、いつもは4歳」。

おわかりの通り現在4歳なんですが、今回は無料でサービスを利用できるようにご両親に3歳というようにしつけられてきたのでしょう。

「年齢を聞かれたら、今日は3歳って言うんだよっ」て何回も聞かされて、もしかしたら「何歳って」質問のシミュレーションも何度かしてきたかもしれません。

テーマパークの入場料金も3歳の無料で入場しているので、今回のサービスと合わせて万単位でお得になるのですが、そのために子どもに年齢を偽ることを教え、練習させて遊びに来るというのは果たして子どものためになるのでしょうか。

それにしてもご両親は肝を冷やしたでしょうね。

こういう状態でのバカンスは本当に楽しいものになったでしょうか。

価値観はそれぞれなので、お得に楽しく遊べるのなら嘘をついてもそれが子どものためになっているというのも価値のひとつかもしれませんが。

子どもに嘘はつかないって言える?

3歳以降子どもが嘘をつくことが増えてきます。

それは大人のように悪意はなく、例えば物を壊して怒られるのが怖いからとか、お約束を守れなかったからなど、言ってしまえば子どもらしい可愛い嘘。

そんな時に嘘をつくのが悪いことを教育しますよね。

それなのに嘘を上手につけるよう、言い聞かせて練習するというのは子どもにとって矛盾しかありません。

子どもを犯罪者に

極端で硬い話ですが、考えてみてください。

料金が発生するサービスを利用するのに意図的に子どもに嘘をつかすことってサービス提供者に対しての詐欺行為にあたります。

それを親が指示を与えてさせることって本当に良いことでしょうか。

逆のパターンも

遊園地やテーマパークでは身長制限や年齢制限が設けられていることが普通です。

そういう時に身長制限をクリアーするために靴の中にティッシュを入れて身長のカサ増しをする方や厚底の靴を履かせる方も実際おられます。

また年齢を1歳多く偽りアトラクション体験をさせている方もけっこういるのではと思います。

実は子どもを危険に晒しているかも

アトラクションに年齢制限や身長制限を設けている理由は危険から身を守るための基準を設けるためです。

テーマパークや遊園地のアトラクションは普段の生活からは想像もできないような無茶な動きをするものが多くあり、そういったアトラクションには必ず制限が付いています。

厚底の靴を履いているなら足もついて踏ん張れるし大丈夫ではと思うかもしれませんが、むしろ重視しているのは座高であって、座高を割り出すために基準の身長を設定しているので厚底の靴で身長を偽ることは基準よりも低い状況でアトラクション利用をさせていることになります。

特に動きの激しいジェットコースターなどは想定以上のGがかかるため、それに耐えられる基準として身長制限などを設定しているので、安全バーから抜けないから安全などと思っていたら大間違いです。

年齢制限も同じく、そのアトラクションを体験しても大丈夫な身体ができているという基準なので、1歳の割り増しは大きな代償になるかもしれません。

クリアーしたという喜びの共有を

身長をクリアーした、年齢制限をクリアーしてアトラクションに乗れるということは親にとっても子どもにとっても喜びの一つで、クリアーした瞬間の嬉しさはアトラクションに初めて乗れたことと一緒に思い出に刻まれるのではないでしょうか。

長女もUSJであと2センチ程度足らず大好きな恐竜が見られるジュラシックパークに乗れていないのですが、ごねることもなく次に乗れることを楽しみにしています。

何かの案を講じて無理に乗せることよりも今度来たら乗れる工夫、例えばご飯をちゃんと食べるとか、しっかり寝るとか、運動するというお約束をする方が素敵ですよね。

子どもは傷ついているかも

子どものためって思って1歳若かったり歳を取らしたりは、実は子どもも傷ついているかもしれません。

以前私の母が年齢を尋ねられた時、とっさの事だったので4歳のところ間違って5歳と言ってしまったことがあり、長女がかなり立腹したことがあります。

母からすると単に間違えただけですが、長女にとっては大きい事件だったようです。

私が年齢を偽りたくない本当の理由

子どもが生まれて数年間って盛大に誕生日をお祝いする方って多いと思います。

最近は生まれて半年のハーフバースデーをやるくらいですし。

我が家もできる限り誕生日は盛大に行っているのですが、そこまでやっておきながら子どもの年齢を尊重しない行為をするのが嫌なのが本当の理由です。

3歳なら3歳、4歳なら料金がかかっても4歳と偽らずに子どもを扱ってあげたいのが私の気持ちです。

子どもの成長を願う親としても尚更です。

無理をしない子育て

子どもに3歳と言わせないと旅の予算が厳しい場合などはそもそも旅をしない方が良いと思っていて、今後もそういう状況があればその時は我慢します。

そういう部分で無理をすることって結局は予算的にも無理のある育児なんだと思いますので。

ルールを守る練習を

子どもに喜びを与えるためというのは素敵な発想ですが、やっぱりルールはちゃんと守るのが一番で、同時に世の中のルールを教えていくことも大切。

いまは年齢が足りない、身長が足りない、それだけでも子どもは世の中にはルールがあって、それはちゃんと守らないといけないと心に刻まれていくはずです。

間違ってもルールを破ったら得するみたいな考えをもたないようにしていかないと大きくなったら大変な大人になるかもしれません。

3〜5歳くらいの子どもって親の言動とっても見てますしね。

あと2センチ、長女とジュラシックパーク乗れる日がとっても楽しみです。