この記事のもくじ
新型コロナの影響
新型コロナの影響があり再び除菌ブームが来ています。
1996年の集団食中毒事件
1996年、岡山の学校給食で集団食中毒感染事件が発生、同年に大阪の学校給食でも集団食中毒事件が発生し3児が死亡するという痛ましい事件がありました。
この食中毒は大人にも2次感染し、世界的にも珍しい大型の食中毒事件となりました。
この頃テレビでも頻繁にO157の事が取り上げられ、一般にも広がる事となり後に除菌ブームが訪れる事となります。
現在の日本人が日常的な菌に対して嫌悪感を持っているのは、この時の報道のあり方やその後に多数発売される除菌グッズなどが作り出した国民性だと考えています、。
子どもの安全は守りたい
赤ちゃんは何でも口に入れますし、子どもは色んな物を触った手を口に入れます。
この時代親としてはどうしても気になるので、人によっては除菌剤なんかを使っている方もいらっしゃると思います。
ただ何も考えずにそういったスプレーなどを使ってしまうのはどうでしょう。
ましてや子どもにとって除菌はどれくらい必要不可欠なものかなども考えてみました。
除菌・消臭スプレー
CMで連日放送される有名な除菌・消臭スプレーがあります。
布団や靴、ソファー、カーペットなどあらゆる所にシュッシュして臭いや菌を防ぐという有名なスプレーですが、もしかすると子どものいる家庭には要注意かもしれません。
QAUT
これは除菌・消臭剤に含まれている除菌成分なのですが、ネットで「QAUT」と検索すると危険性を伝える記事が上位に出てきます。
QUATは第4級アンモニウム化合物の略称で、科学的に合成された化学物質になります。
これが人体にも悪影響があるとされており、例えばWikipediaでは次のように紹介されています。
第四級アンモニウム化合物は健康にさまざまな影響を与える。
例を挙げていくと、軽度の皮膚や呼吸器の炎症から皮膚の焼灼性熱傷、胃腸炎、吐き気、嘔吐、昏睡、痙攣、低血圧、死などがある。
こう紹介されるとちょっと怖いですよね。
2011年の研究発表
東京都健康安全研究センターが家庭用除菌・消臭スプレーの成分に対する安全性試験を行い、マウスにQAUTを投与して実験を行ったところ体重の低下や臓器の重量低下、死亡の毒性が見られました。
実はこれ以外にも他の成分の毒性についても色々と言われており、使用や量については注意する必要があります。
QUATの性質が人体にも影響?
QUATは菌の細胞膜を破壊して殺菌する性質を持っているそうで、同時に人間の細胞膜も破壊してしまうそうです。
その他の成分もアナフィラキシーショックやアレルギーを引き起こす可能性があるものもあり、赤ちゃんや子どもを守るはずがダメージを与える可能性も考えられます。
そもそも赤ちゃんや子どもに除菌は必要?
根本的な話になりますが、赤ちゃんや子どもに対して除菌を行う事は必要なんでしょうか?
この時代ですから、コロナの感染拡大防止のために施設入口でのアルコール除菌スプレーは理解できます。
ただ家庭で除菌を積極的に行っていく事には疑問を感じます。
私たちが子どもの頃って除菌とか特に意識せずに生きてきました。
それによって体が弱かったとか下痢をしやすかったとかそういう記憶ってありません。
むしろ今は除菌のしすぎは子どもの免疫力を下げるなんてことも言われていて、真意のほどはわかりませんがある部分では納得ができる感じです。
化学薬品からも子どもを守る
今回の除菌・消臭スプレーに限らず様々な製品が発売されていて、赤ちゃん用品としても手肌に触れる製品がたくさん出ています。
キャッチコピーには「赤ちゃんにも安心」と書かれているのを見たことがあるかと思います。
本来ならば「赤ちゃんにも安全」って書くのが正しいと思いませんか?
安全ではなく安心の理由
「安全」と書けない理由は明確で、その文字のごとく安全が担保できていないからです。
水を使う物であれば科学合成した防腐剤を使う必要があるし、クリームであれば固まらないように乳化剤を加える必要があります。
実はこういった物は自然由来の安全な成分で作る事は可能ですが、そのために企業は多くの研究開発費が必要になり結果それは価格に反映されることとなります。
同じ機能性のスプレーが300円と3000円で売っていたら確実に売れるのは300円の方で、企業も安く使い勝手の良いものを提供するために科学合成された成分を使わざるを得ない状況になっています。
赤ちゃんグッズにおける「安心」というのは、大人の同様の製品よりも科学合成成分の量を減らしていて「安心」と言う意味に捕らえるとわかりやすでしょう。
最後のまとめ
仕事柄少しこういった製品の成分に関わる事があり、知識として安全や安心について知っていたので我が家では科学合成された成分の除菌・消臭剤は一切使用した事がありません。
たくさん販売されていて実際売れている商品ですので、使っていてのメリットも色々あるはずですし、使われている方もそれで良いと思いますが、メリットだけのうたい文句を真に受けて調べもせずに何でも利用してしまうことはどこかにデメリットが潜んでいる事も知っておくべきです。
特に育児や子育てにとっては情報が命なので、正しい知識で子どもの健康を守っていければと考えています。